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ICEが空港でTSA支援へ、政府閉鎖で長蛇の列深刻化

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はじめに

米国国土安全保障省(DHS)の部分的な政府閉鎖が6週目に突入し、全米の空港で深刻なセキュリティ遅延が発生しています。TSA(運輸保安庁)職員が無給で勤務を続ける中、離職や欠勤が急増し、主要空港では2時間以上の待ち時間が報告される事態となりました。

こうした状況を受け、トランプ大統領は2026年3月22日、ICE(移民関税執行局)の職員を空港に配備してTSAを支援する方針を表明しました。ホワイトハウスの国境担当責任者トム・ホーマン氏が指揮を執りますが、この措置には強い批判も寄せられています。

DHS政府閉鎖の背景と経緯

移民執行改革をめぐる対立

2026年のDHS部分閉鎖は、2月14日に始まりました。これに先立ち、1月31日から2月3日にかけて4日間の連邦政府全体の閉鎖が発生しています。いずれも、税関・国境警備局(CBP)の職員による事件を受けた、連邦移民執行の改革をめぐる議会での対立が原因です。

民主党は、ICEおよび国境警備局の活動に対する監視強化を求めています。具体的には、ボディカメラの着用義務化、覆面捜査の制限、病院や学校といった機微な場所での取り締まり制限などを主張しています。

一方、共和党はDHS全体の一括予算成立を求め、移民執行機関のみを除外する民主党の案を拒否しています。上院では5回にわたりDHS予算法案の採決が試みられましたが、いずれも成立に至っていません。

トランプ政権の対応

トランプ政権は、ボディカメラの拡大使用や一部の機微な場所での活動制限など、いくつかの譲歩を提示したとされています。しかし、民主党はマスクの着用や令状に関する要求が満たされていないとして、この提案を退けました。

空港セキュリティの深刻な混乱

数時間に及ぶ待ち時間

政府閉鎖の影響は、春休みシーズンの旅行需要と重なり、全米の空港で深刻な混乱を引き起こしています。世界最大の旅客数を誇るアトランタのハーツフィールド・ジャクソン国際空港では、セキュリティの待ち時間が2時間以上に達しました。

ニューヨークのラガーディア空港では、乗客が保安検査通過に3時間を要し、フライトに乗り遅れるケースも発生しています。マイアミ国際空港でも35〜45分の待ち時間が報告されています。

TSA職員の離職と欠勤の急増

約5万人のTSA職員は「必須要員」として無給で勤務を続けていますが、財政的な圧力から離職と欠勤が急増しています。DHSによると、閉鎖開始以来300人以上のTSA職員が退職しました。

ヒューストンではTSAスタッフの半数以上が病欠を申請し、アトランタやニューオーリンズでも約3分の1が欠勤したと報告されています。航空業界団体「Airlines for America」は、3月から4月にかけて1日あたり約280万人が米国の航空便を利用し、合計1億7,100万人の旅客が見込まれると予測しており、需要と供給の乖離が深刻化しています。

ICE空港配備の詳細と反応

ICE職員の役割と限界

トランプ大統領は3月22日、「月曜日(24日)からICEが空港に向かい、職務に就き続けているTSA職員を支援する」とSNSで表明しました。ホーマン国境担当責任者によると、ICE職員はターミナルの出入口の警備など、TSAの補助的な業務を担当し、TSA職員が検査業務に集中できるようにする方針です。

ホーマン氏は「ICE職員がX線検査装置を操作することはない。訓練を受けていないからだ」と述べ、専門性を要する保安検査業務はTSAが引き続き担当することを強調しました。

批判と懸念の声

この措置に対しては、複数の方面から批判が上がっています。米国自由人権協会(ACLU)は声明で、移民執行を担当する職員が空港に配備されることで「家族に恐怖を与える可能性がある」と警告しました。

民主党のハキーム・ジェフリーズ下院議員をはじめとする政治家も、ICEの空港配備が移民取り締まりの拡大につながる可能性を懸念しています。実際に、CNNの報道ではアトランタ空港へのICE職員配備が予定されていることが伝えられています。

注意点・今後の展望

DHS閉鎖の解決には、民主党と共和党の間で移民執行改革に関する合意が不可欠です。しかし、5回の上院採決がすべて不成立に終わっていることからも分かるように、交渉は膠着状態にあります。

ICEの空港配備はあくまで一時的な措置であり、根本的な解決策ではありません。TSA職員への給与支払いが再開されなければ、今後さらに離職者が増加し、空港の混乱が悪化する可能性があります。

旅行者にとっては、当面の間、通常より大幅に早い空港到着が推奨されます。国内線で3時間前、国際線で4時間前の到着を勧める空港もあり、フライト前の情報確認が不可欠です。

まとめ

DHS部分閉鎖の長期化により、全米の空港セキュリティは深刻な危機に直面しています。TSA職員の無給勤務、離職の急増、そして春休みシーズンの旅行需要が重なり、主要空港では数時間の待ち時間が常態化しつつあります。

ICE職員の空港配備は、行政府による緊急対応ですが、移民執行機関の役割拡大に対する懸念も無視できません。根本的な解決には議会での予算合意が必要であり、旅行者と空港職員の双方にとって、一刻も早い閉鎖の終結が求められています。

参考資料:

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